プログレッシブな日 〜 プログレッシブ・ロック入門

今日は4連休の2日目。しかし、特別なことはやらずにいつもの過ごし方をする。「いつも」というのは保守的かもしれないが、「継続する」「リズムを刻む」というのも大事だと思う。これは、僕の中で、「旅行先でジョギングをする」「カフェで読書をする」というのと似ている。いつもと同じリズムを少しだけ創り出し、自分を見れるようにしておく、と言ったら言い過ぎだろうか…。

今日は、英語のレッスンの後、図書館に行った。英語の先生は、最近いつも同じ。僕よりかなり年上でマイペースな先生で、どう突っ込んでいいか分からないボケをする。今日はいきなり歌い出した。それは誰の歌か?などと逆に質問してやる。そうすると、表には出さないもののすごく喜ぶのが分かる。こういう突っ込みができるときは、心身ともに調子がいいときだ。昨日休んだので今日は調子がいいようだ。自分の調子が分かるというのは、まるで、マラソンの走り出しのときに、「今日の調子はどう?」っと体と対話するときと似た感覚だった。

JRの田町で降りて大学へ向かう。駅前の広場に何やら大勢のサラリーマンがいる。みんな疲れている、うつむいて座っている人が多い。みんな無口だ。端っこには、たくさんの黒いスーツケースらしきものが置いてある。今まで見たことがない光景だ!

「何かの勧誘か?」と警戒したが、みんなこちらに気を留める様子はない…。おそるおそる歩を進めると、どうやら映画の撮影のようだった。「な〜んだ」と以外と緊張していた自分を慰めつつ、「エキストラも大変だよね〜」と今度は同情の気持ちで暖かく見守る。すると、角を曲がったところで、今度は、ざっと30人くらいの人が、何やら整列して出番を待っている。みんなコート姿で立っている。「冬のシーンなんだ〜」と理解した途端、皆こっちを見ているように感じたので、慌てて目をそらす。今日は暖かかったのでお疲れ様です。

大学に向かう途中、とっても綺麗な装いの女性が同じ方向を歩いている。見るからに大学に向かっているようだ。何となく格好で分かる…。ふっと、在学中の思い出がよぎる。大学に入って感心した一つに、いわゆる裕福と言われる人の多いこと。僕は、郊外のサラリーマン家庭の出で、公立の中学・高校に通い、似たような家庭環境の人たちの中で育ったため、私立の大学ではある種のカルチャーショックを覚えた記憶がある。

この大学は、小さい頃からエスカレーター式に上がってくる人、高校から入る人、大学から入る人と、いろいろな人がいる。富裕層が多いのは、エスカレーターの人だ。そんなことを思い出しながら、既に親には大変な負担をしてもらっていたのに、「下宿をしたい」と言って断られたこと、片道2時間の通学でも毎日が楽しかったこと、最初の2年は本当に勉強しなかったが、後半の2年は本当に勉強をしたこと、などいろんなことを思い出した。

今だったら、そんなことは気にも留めないだろう。それにしても、大学の持つ雰囲気は、ある意味変わっていなくて、学びの場であるという他に、何か文化的な…それが金銭から来る印象で包まれていても…近寄り難さと近寄りたいという気持ちをかきたてる。。。

図書館では英語の本と格闘。ついつい文章をじっくり読んでしまい、なかなかスピードが上がらない。外は、時折り優しい陽がこぼれ、秋の雲が薄い様子とあいまって、季節を感じる。夏とちがって、緑は濃く映らない。光のコントラストは全体的にソフトだ。遠くに、大学の古い建物越しに新しい高層ビルが見える。

高層ビルがあったなんて、今まで気がつかなかった。なにやら、ドラえもんか何かの世界を思いだす。朝起きると、左と右があべこべになっているという話だったような気がする。さっきまで机で突っ伏して寝ていたから、そんなことを思ったのだろうか。でも、僕は右利きのままだし、読んでいる本も変わらず左から右に書いてある。ここにはドラえもんはいない。

帰りに本屋さんに寄った。音楽コーナーの棚に。最近、ローリング・ストーンズのCDを集めようか迷っているので、何か本はないかと目を凝らすと、『プログレッシブ・ロック入門』という本を見つける。「これはっ」と思い手にとった。僕の好きなバンドRushの記事は一切ない。ちょっと残念。しかし、次に好きなバンドYesと、この間サンフランシスコでCDを買ったPink Floydの記事が満載だったので迷わず買うことにした。家に着くまで、かぶりついて読んでました。

プログレッシブ・ロック、略してプログレ、は音の多彩さ、リズムの複雑さ、曲やメロディーの斬新さ、から大学生の頃ハマった音楽だ。Rushにいたっては、友達に誘われコピーバンドを作ったくらいだ。曲の展開が豊富で、一般にテクニックが必要とされるジャンル。とっても上手なドラムとベースの友人がいて、みんなでコピーしては、あれが難しい、それは違う、などと夜遅くまで飲んで話したのが懐かしい。僕はギターで、アナログな機械を駆使して音を作るのが得意だった。

今日は、いつもと同じような一日であるはずなのに、こうもいろんな展開があるとは。

プログレッシブ・ロック入門

プログレッシブ・ロック入門




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