Loverboy

80sロックを語る割には、有名バンドの記事を書いていないのですが、まずは心地よいロックンロール・バンドLoverboy(ラヴァーボーイ)を紹介します。

Get Lucky (Aniv) (Exp)

Get Lucky (Aniv) (Exp)

このアルバム「Get Lucky」は1981年発表。(ちなみに、当時のライナーノーツでは「日本で1982年1月」と書いてあって、輸入レコードが一般化していなかった時代を感じさせます。)カナダのバンドLoverboyの2作目だそうです。

1曲目のWorking for the Weekendから、ハイテンポのロックンロールが展開されます。デビュー前にかなりのライブ活動をやっていたようで、多くの曲は、ライブ感がたっぷりです。曲やサウンドがシンプルであることも関係しているのでしょうね。

80年代は、様々なアメリカンロックが流行るのですが、このLoverboyはその中ではシンプルで、ストレートなロックを演奏するグループだと思っていました。今聴くと、ヴォーカルのマイク・レノの若さというか、はじけた感じが少し恥ずかしく思わない訳でもありませんが、それが魅力のバンドです。小細工がないという意味で、今でも素直に聴けるロックです。

僕は、彼らのデビュー作とこのGet Luckyまでしか聴いた覚えはないのですが、こちらの80’sの洋楽POPS&ROCK(1980〜1989)に当時からその後の活躍について詳しく書いています。知らなかったのですが、あの映画「Top Gun」に楽曲が取り上げられていたのですね。




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Tony Rich Project

これも結構古い話になりますが、90年代前半はダンス系、ラップ系、ソウル系、DJ系の音楽が流行りましたよね。細かく分類するのが大変なので、全部「R&B」としてこれから書いていきます。

90年代半ばに、たまたま試聴して買ったと思われるのが、Tony Rich Project

当時の人気アーティストであるBoyz II MenTLCに曲を書いていたというから、実力は折り紙付きなのでしょう。(参考:Wikipedia

僕が持っているアルバムはBirds Eyeという2枚目の作品。実は、これが売れなかったらしい。

Birdseye

Birdseye

しかし、曲は優しくって、サウンドはどことなくアコースティックな音の温かみを大切にしていて、聴きやすいのです。細かく分類するとソウルになるのでしょうか。

当時流行ったソウル系のアルバムは、時間の経過とともに聴かなくなっていったのですが、なぜかこの1枚だけは、すぐに取り出せるところにあり、忘れた頃にかけていました。

なんとなく流しておくこともできるし、それでいて飽きもしないので、何か作業をしていて邪魔にならないのですよ。ソウル全般に言えるのは、リズムがミディアム・テンポで、語りかけるようなヴォーカルの曲が多いので、きっと心地が良いのでしょうね。ラップを混ぜるアーティストもいましたが、Tony Richさんはラップなし、ド派手なコーラスもなく、曲として聴かせる作戦を選んでいます。

売れたのはWordsという1枚目のアルバムらしい。知りませんでした。在庫限りの販売になっているようだったので、早速、オーダーしてしまいました。




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80年代は洋楽の黄金期か?

僕は今40代前半で、1980年代は中学〜高校の多感な時期だった。先日、30代半ばの嫁と、「80年代は洋楽黄金期か?」という話をした。

この話は、僕と同世代のある有名人がツイッターで「黄金期だ!」と力説していたそうだ。洋楽の定義はさまざまだし、音楽などの主観で評価される対象は、世代によって意見が違うので、コメントするのは難しい。その有名人だって、ツイッターで言い切る前に、いろいろな前提を置いて話していたのだろう。

そういう類の話なので、僕は答えを決めつける気はないのだが、それでも「80年代は音楽的に楽しかった」とは言い切れる。

いろいろな解釈があるだろう。MTVが流行った時代、ネットも携帯電話も普及していなかった時代。この2つに共通するのは、テレビやラジオなどの既存メディアが大きな影響力を持っていた時代だ。大きなお金が動くから、有力なプロモーターが資金を抱え、さらに大きなビジネスに仕上げていく。

狭い話になるが、ロックに焦点を充てると、アメリカン・ロックとブリティッシュ・ロックのせめぎあいの時代でもあった。アメリカン・ロックは、ロスアンゼルスを中心にビックビジネス化し、あの有名なコメンテーター「渋谷陽一」氏が「産業ロックだ」と揶揄していた時代である。

ロックが産業化したことにより、クリエイティブではなくなってしまったのだろうか?そして、聞き飽きた人々が、次第に離れていってしまったのだろうか?

考えさせられる出来事はこれだ。当時、中学〜高校という暇をもてあました僕にとってはそうは思えないのだが、僕より若い嫁さんはその頃の音楽を知らない。僕が、懐かしさに胸がこみあげそうになるCDをかけても、「みんなおんなじに聴こえる」と冴えないコメントしか帰ってこない。

経済学の言葉を借りれば、ロック界が「持続的イノベーション」に終始し、「破壊的イノベーション」を行えなかったとも言える。先人たちが、独創的に活躍できたのは、もしかすると70年代から80年代前半くらいになるのかもしれない。いつの世も、どの世界も、後から生まれる人はキャッチアップができるというメリットを享受できる一方で、先人を超えるには並大抵の努力や才能ではできない。

別の解釈もあるだろう。そもそもロックとは、若者が社会に対して憤りを表現する手段であって、抑圧された何かを爆発するときに生まれる。と来れば、ベルリンの壁が崩壊して、そうしたパワーが落ちていったのだ・・・、と。「若者の草食化」と絡めて解釈する人は、この考えを支持しているものと思われる。

人と違う何かを求める、多品種少量消費社会が来たのも90年代からだ。みんなが知っている大スターを応援するよりも、インディーズ・レーベルのアーティストを応援する。ネット時代が到来し、その流れを後押しする。ロックやMJ、マドンナなどの有名アーティストから、多様なハウス・ミュージックやレゲエが流行ったのも90年代だ。

この話題はなかなか奥深い。ここでは80年代のロックも、90年代のハウスやレゲエも触れていきたいと思うが、根底に流れる変化を追うのもまた一興である。




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Soulive

今日は、仕事の出だしからSoulive(ソウライブ)を聴いていた。最近は、朝からデスクワークで始まることが多く、集中力を引き出してくれる音楽が良いのだ。

Souliveはジャズに分類されるが、一言でいうと今風、言葉を付け足すと、ファンクやソウルという要素の濃い音楽である。ゆっくりした曲もあるけれど、Souliveっぽい曲は、リズムの速い曲であろう。

ジャズの即興的な緊張感がある曲もあれば、ラップが入った曲もある。ホーンが使われる曲も多いが、オルガンやギターによるリズムやソロは、Souliveの音楽を個性的にしていると思う。


集中力を高める音楽って一体どういうパターンがあるのだろう。これはなかなか定義付けが難しい。たとえば、ついつい音や歌詞を追ってしまうような曲は駄目だ。僕の場合、Norah Jonesでは集中しない。

ゆっくりしたボーカル系でも、noonなどは集中を切らすことはない。なぜだろう?これについては、今後もじっくりと観察してみたい。

リズムの速い曲は集中力を高めるかというと、一概にそうとも言えない。うるさすぎては駄目なのだ。それなのに、Souliveはちょうどいい。二丁拳銃風に言えば、「ちょうどええ」のである。

もちろん、気持ちの入ったジャズなので、音楽に向かって集中するという楽しみ方もできる。

今日は、数あるアルバムの中から、Nextを聴いていました。

Next

Next




【補足】Souliveのレビューは、コチラのNever Surrenderさんのページがとても勉強になります。そこで紹介されているLettuceはおそらく聴いたことがないと思います。今度、聴いてみたいな〜♪




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Billy Squier

Billy Squier(ビリー・スクワイア)の2作目「Don't Say No」は、レコードを持っていました。しかし、CD時代になってからは、頭の片隅からもこぼれてしまったため、25年ぶりに聴きました。

突然、その存在を思い出し、調べてみると30周年記念のリマスター盤が出ているのです。「この機会を逃すまい」と思い、やっと入手できました。1981年の作品です。

全ての曲がビリーによって書かれています。今聴いても色あせた感じはないですね。ストレートなロックが多く、それでいてパターン化した感じはしません。

当時(僕は中学生でした・・・)、僕の周りにビリー・スクワイアを知っている人はいなかったのですが、何故アルバムまで買ったのでしょう?当時、高価なアルバムを買うというのは、相当高いハードルだったはずです。数ある名盤やヒット作を押しのけて、買った訳ですからね。

細かい記憶はないのですが、ろくろくロック夜話さんによると、アメリカではかなり売れていたのですね。MTVで流行ったというのも、時代を感じさせます。それにしても、プロデューサー陣がすごかったのですね。

ロックンロール系の曲からは、クリーンなストーンズという感じもするし、その後のアメリカン・ロックのヒット・アーティスト(例えばナイト・レンジャー)につながる感じ(彼らが意識していたかどうかは知らないが・・・)もします。しかし、ツェッペリン系の曲(Lonely is the Night)もあるし、クイーンのような曲(The Stroke)もあるので、かなり幅広い作曲ができる人なんだな、と。売れた理由が分かる気がします。

懐かしい気分にすっかり浸りました。

Don't Say No (30th Anniversary Edition)

Don't Say No (30th Anniversary Edition)




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キース・ジャレットのライブにまた行ってしまいました


昨日2010年9月29日、再びキース・ジャレット・トリオのライブに行ってしまいました。

9月23日に続いて、今回の来日公演では2度目の観覧になります。

なぜ、2度も行ったのか。1度目の公演で、僕も嫁さんも完全にノックアウトされてしまったのですね。2人とも、昔からキース・ジャレットの大ファンで、今回は始めて聴きに行ったものだから、感動もひときわ大きかったのです。

それに、このトリオはキース(p)が曲目をステージの上で決めるとの噂。実際に、全ての曲はピアノから始まり、ドラムとベースが絡んでいくという構成です。このこと自体がすごいことですね。

これが意味することは、数日間にわたる公演では、毎回曲目が違うのではないかということ。そう思ったので、1回目の公演の後、「もう1度観たい、聴きたい」という想いが増して、何とか空き席を見つけて行ってきたという訳でした。

曲目は実際違ったので、初回とは雰囲気の違うパフォーマンスを楽しめてよかったです。しかし、そもそもジャズはアドリブ(即興)がかなりの部分を占め、かつそれが最大の醍醐味なので、今思えばあまり気にする必要はなかったですね。財布の紐を緩める口実だったのかな。それはそうと、最高齢が75歳のトリオ、果たして次は観れるのか、という想いもあって、やっぱり無理して行って良かったです。

キースはまだ65歳。この日の演奏も、初日以上ではなかったかと思うほどノッていたし、音も次から次へと繰り出されていた。この日強く感じたのは、あの演奏を繰り出すためには、想像を絶する集中力が必要なはず。

MCも一切入らない、そして曲間もほとんど空けない、音楽がすべてというライブ。ステージが暗いのは舞台演出だという説明も聞きますが、あれ以上明るかったら集中力が保てないのではないか、と思いました。

このトリオは、また来日をしてくれたら、是非行きたいけれど、ひょっとしたら体は元気でも、集中力が出せなくなって引退、なんてことがあり得るのではないか、と思うほどの演奏パフォーマンスなのです。

この日は、僕らも聴き慣れたせいか、初日とは違う点をいろいろと見れてよかったです。3人のかけ合いが素晴らしかった。それは、息が合うというレベルを超えて、曲の抑揚やリズムの盛り上がりが、それぞれの楽器の個性を交差して、創り上げられていくというイメージです。それぞれがアドリブで、それぞれの音の密度が違うけれども、曲として1つの起承転結があって、それが意図をしないところで展開されていくという意外感が感じられます。僕が思うジャズのダイナミックさ、魅力ですね。

演奏が終わると、セットリストに人が群がって、みんな写真を撮っています。人ごみに入るのをためらったので、写真を撮る人を、iPhoneトイカメラ・アプリで撮ってみました。

この日のセットリストは、以下のとおりです。(公式セットリストはコチラのサイトへ。)

(1st)
1. Broadway Blues
2. The Blessing
3. I Fall In Love Too Easily
4. Tonight
5. Someday My Prince Will Come
(2nd)
6. Things Ain't What They Used To Be
7. You Won't Forget Me
8. G-Blues
9. Smoke Gets In Your Eyes
(Encore)
10. Straight, No Chaser
11. Once Upon A Time


この間、買ったCDが良かったので、ご紹介しておきます。

Whisper Not (Live in Paris 1999)

Whisper Not (Live in Paris 1999)




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キース・ジャレット・トリオ2010ライブ

素晴らしい!の一言に尽きる。キース・ジャレット・トリオの2010ライブに、先日2010年9月23日、Bunkamuraオーチャード・ホールに行ってきました。

3人の演奏技術や息が合っている様子は、言うまでもなく素晴らしい。しかし、それを超える、魂のこもった空気が会場を支配していたと思います。CDでは伝わらない、「気」というものを全身で感じることができたような、2時間でした(ちなみに間に休憩が入ったので、都合2時間半くらいかかります)。

今思い出しても、ライブはあっという間の出来事で、また聴きに行きたいというよりも、またあの空間に身をおきたいと思っています。

もちろん、CDの演奏もいつも素晴らしい。僕も学生の頃に、Standard Liveのシリーズを知って、それ以来のファンです。

セットリストが演奏の終わった会場の外に貼りだしてあったのですが、すごい人で撮れませんでした。でもコチラのブログの方がアップして下さいました。ありがとうございます。

曲目は、次のとおり。
1. Solar (Tribute)
2. I Have Got A Crush On
3. Star Falls On Alabama
4. Conception (Whisper Not)
5. Someday My Prince Will Come (Still Live)
6. G-Blues (Keith Original)
(2nd Stage)
7. Django
8. My Ship
9. Sandu (Whisper Not)
(Encore)
10. Too Young To Go Steady (Standards Live)
11. When I Fall In Love (Still Live)

括弧内は、CDで聴ける曲です。一応、調べてみましたが、見落としがあるかもしれません。複数のCDに入っている曲もありますが、そちらの情報は省いています。もっとも、即興なので、アレンジを含め、内容は全く違うと思いますが。

それにしてもキース(p)も凄かったけれど、ゲイリー・ピーコック(b)とジャック・ディジョネット(ds)も凄かったですね。CDだと、ピアノの影になりがちですが、この日の音のバランスは本当にトリオ均等のようでした。

いつもキース・ジャレットを聴こうと思ってCDをかけるのですが、それじゃ駄目ですね。これからは、心してトリオを聴こうと思います。

ゲイリーが御年75歳だそうですから、あと何回ライブ見れるのだろう?また行きたいな。

ちなみに僕のお気に入りアルバムNo.1はコチラ。トリオとしては初期の作品です。圧倒されますよ。

スタンダーズVol.2

スタンダーズVol.2



【編集後記】こうしたライブを聴くと、自宅オーディオへの投資意欲が再び沸いてきます。うちのオーディオさんたちは、アンプの27歳を筆頭にベテラン揃い。調子が悪いことも多いので、そのうち買い替えを、と思っていながら、時間ばかりが過ぎていきます。

【編集記録】セットリスト1曲目は、正しくはSolarでした。お詫びして訂正いたします。また、セットリストは、鯉沼ミュージックさんのサイトにて公表されています。




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